Accueil / 文芸 / 麻雀家政婦『紅中』〜接待麻雀専門家〜 / その8 第六話 数少ない仲間

Share

その8 第六話 数少ない仲間

Auteur: 彼方
last update Dernière mise à jour: 2026-01-30 11:26:57

72.

第六話 数少ない仲間

 初めてネット麻雀教室を行った紅中は終了後ミナミに質問しまくっていた。機械音痴なものだから扱い方がいまいちわからないのである。

「ミナミさん。これ、視点を切り替えるのはどうやるんですか」

『あーそれはムービーマークみたいなのがあるから、そこ押すとその人の視点に切り替わるよ』

「ありがとうございます」

────

 数十分経過――

『今日はもう休んだらいいじゃん。睡眠不足で観てもアタマが回らないでしょ。(私もそろそろ寝たいし)』

「ミナミさんの言う事もごもっともなのですが、しかし今回は記念すべき第一回です。見落としはしたくないんですよね。初回が肝心だと思うんです」

『まぁ、そりゃそうだけど……(いちいちテレビ電話で教えるのもめんどくさいなぁ)わかった、今からチュンの家に行って直接使い方教えるからそれで憶えて。毎回テレビ電話で教えるのはごめんだからさ』

 紅中の家とミナミの家は非常に近く、徒歩10分以内なのでいつでも行き来できるのだった。

「ええっ!? それは悪いですよ、逆に私が行きますから」

『うちはもう親が寝てるからダメだよ。老人は早寝早起きなんだよ。チュ
Continuez à lire ce livre gratuitement
Scanner le code pour télécharger l'application
Chapitre verrouillé

Latest chapter

  • 麻雀家政婦『紅中』〜接待麻雀専門家〜   麻雀家政婦 紅中 〜接待麻雀専門家〜 エピローグ 麻雀のプロ

    75.麻雀家政婦 紅中 〜接待麻雀専門家〜エピローグ 麻雀のプロ 麻雀のプロにはいくつかの種類がある。 リーグ戦などで切磋琢磨する『競技麻雀』のプロ。大きな賭場で稼ぐ『バクチ打ち』。よくある麻雀店で働く『スタッフ』。健康麻雀の『講師』など。 他にも麻雀を生業にしている人間は様々いる。 ――そして、ここにも。特殊な働き方を選んだ麻雀プロがいた。◆◇◆◇(あの自信満々な顔からしても100%これでしょうね)打1「ローン!」「あら! これが当たるんですか!」「この捨て牌じゃ1索が当たるなんて分かるわけないよねー」捨て牌2九一⑧中四西リーチ「いやぁ、やられちゃいました。お上手ですねえ!(フフフ、なんてね。迷彩とかやってくださると騙されて放銃したと思わせることが可能だからむしろとてもやりやすいです。正直、端から2つ目の牌を先に捨てて、次に端牌が出てきた矛盾から第1打はトラップとして先切りしていることが予想出来るし、最終手出しが安全牌の西であるからリャンメン待ちを予想出来ます。そしてあの自信満々な顔。1-4索待ちはとても分かりやすかったのですが)」「チュンさんはおれの作る罠にいつもひっかかるね。きちんと読んでくれるから楽しいよ! ハハハ!」「やぁん。いじめないで下さいよぉ。(作った罠がうまくいくと気持ちいいですよね。私は接待麻雀専門家としてその罠を全て見抜き、あえてひっかかりに行っているだなんて夢にも思わないでしょう……フフフ)」 彼女の名前は紅中。 職業は麻雀家政婦。接待麻雀の専門家だ。 接待麻雀のプロたちは今日も相手を勝たせていく―― 【麻雀家政婦 紅中】〜接待麻雀専門家〜 とりあえずの完結。

  • 麻雀家政婦『紅中』〜接待麻雀専門家〜   その8 最終話 理想の生活

    74.第八話 理想の生活 数日後―― 紅中たちによって綺麗に片付けられた錦野邸はメインで使う部屋だけなら完璧に掃除が終わっていた。  そんな折に依頼主である錦野流石から話があると呼び出された。コンコン「どうぞ」ガチャ「失礼します」「チュンさん。急に呼び出してすまない。あのさ、海外にいる両親から先日連絡があって、雇った家政婦はどうだ? っていうから。まあ、仲良くやれてる。よく働くし、不満はない。って伝えたんだ」「それはどうも、光栄でございます」「そしたら親父がさ『子供2人で暮らすより家政婦がいた方がいいだろうから住み込みで雇っていいぞ』っていうんだ。チュンさん、どうかな?」「住み込みですか……有り難い申し出なのは間違いありませんが……」 紅中は少し考えた。住み込みでの契約は料金が高額だ。会社への貢献度も非常に高い。しかし、そうなると他の予定を組みにくいかもしれないし、何より紅中は自分の家族が好きなのである。「あの、このことはシロ子やリュウハには? あの2人も住み込みですか?」「もちろんシロ子には話したよ。リュウハはまだ」「シロ子はなんて?」「『とりあえず持ち帰らせて下さい。前向きに検討します』ってさ。やっぱ即断即決できるような案件ではないしね」「そうですか。あ、リュウハはその都度日雇いするのが丁度いいと思いますよ。あの子は家では中年男性もびっくりな堕落した暮らしをしてますので。住み込ませるべきではありません。なぜかお金を払って中年男性を雇ってるみたいな状態になりますからね。ソファに横になりながらポテチを食い散らかすのが目に見えてます」「そ、それはやめとこう。シロ子はどうなの?」「シロ子は……彼女なら豪邸での優雅な暮らしもキチンとこなしそうですね。ただ、基本的に彼女はあまり働き者の部類ではないのでちょくちょく休ませてあげることです。シロ子は仕事半分趣味半分くらいで楽しみながら生活したい人なので」「ナルホド。で、肝心のチュンさんは?」「私……私ですか。私はねえ。雇われたいくせに縛られたくはないんです。いつも色々な方に呼び出されては様々な家庭でお仕事をする、そんな今の状態が気に入っているんですよね。それに、私には妹がいまして。妹はお姉ちゃんっ子で、私が修学旅行に行くのすら嫌がったくらいの子なんですよ。そんな妹が私も、たまらなく愛

  • 麻雀家政婦『紅中』〜接待麻雀専門家〜   その8 第七話 抱き枕

    73.第七話 抱き枕 麻雀のこととなると夢中になるのは紅中の若いところで気付いたら夜が明けていた。 「あれ? もう朝ですか。いい加減寝ないと。ねえ、ミナミさん……あ」スヤァ…… 横で一緒に牌譜検討をしているものと思っていたミナミは気付いたら眠っていた。「ミナミさんの寝顔を見たら急に私も眠くなってきました…」 紅中はぐっすり寝ているミナミを自分のベッドに運び、布団をかけた。(さて、私はどこで寝ましょう……?) 客人を泊めるということなど想定してない小さな部屋なのでベッド以外の寝場所が思い付かず……「ま、一緒でもいいですよね。ベッド大きいですし」 紅中は自分もミナミと同じ布団で寝ることにした。──────「ん。おはようございます」「おはよう。ていうかチュンさ、ベッドに寝かせてくれたのはありがたいんだけど、私を抱き枕にするのはよくないよ。朝起きて抱きしめられてたらドキドキするじゃん」「えっ、私ミナミさんを抱き枕にしてました?」「してました」 ミナミは少し顔を赤く染めていたが、それより紅中はミナミがカタカタカタカタと先ほどから延々とパソコンで打ち込んでいる内容が気になった。「それ、何を打ち込んでいるんですか?」「んー、昨日の麻雀でとくに良いと思ったことや独特な発想だなと思った場面をまとめてるの」「へぇ。どんなのがあるんですか」「んとね、例えばコレは私の手からなんだけど」【カンツから方針を決定させる】 配牌にオタ風の南と三元牌の白それぞれ1枚ある親だとする。ドラはないし役もとくには見当たらない。連荘できればいいな、くらいの構えの東4局ラス目。 第一打ではオタ風を投げたい、そんな感じがしたが、ただこの配牌には北カンツが既にあった。 その場合の第一打は白切りからが良い。 どうせ白を重ねたって鳴く予定はないのだ。なぜならカンする予定があるから。それはすなわちリーチする予定があるのとほぼ同じこと。 カンツの存在から方針を決定し、必要牌不用牌を早期に決定させること!「あとはこれは人参不用さんの手かな。あとこれはチュンの手で、これもチュンの手かな――。あとこれは私の手でー」────── ミナミの作成した記事はあまりにも大量にありすぐには全部読むのは不可能というほどだった。「――驚きました。これらをずっと朝から作成してくれ

  • 麻雀家政婦『紅中』〜接待麻雀専門家〜   その8 第六話 数少ない仲間

    72.第六話 数少ない仲間 初めてネット麻雀教室を行った紅中は終了後ミナミに質問しまくっていた。機械音痴なものだから扱い方がいまいちわからないのである。「ミナミさん。これ、視点を切り替えるのはどうやるんですか」『あーそれはムービーマークみたいなのがあるから、そこ押すとその人の視点に切り替わるよ』「ありがとうございます」──── 数十分経過――『今日はもう休んだらいいじゃん。睡眠不足で観てもアタマが回らないでしょ。(私もそろそろ寝たいし)』「ミナミさんの言う事もごもっともなのですが、しかし今回は記念すべき第一回です。見落としはしたくないんですよね。初回が肝心だと思うんです」『まぁ、そりゃそうだけど……(いちいちテレビ電話で教えるのもめんどくさいなぁ)わかった、今からチュンの家に行って直接使い方教えるからそれで憶えて。毎回テレビ電話で教えるのはごめんだからさ』 紅中の家とミナミの家は非常に近く、徒歩10分以内なのでいつでも行き来できるのだった。「ええっ!? それは悪いですよ、逆に私が行きますから」『うちはもう親が寝てるからダメだよ。老人は早寝早起きなんだよ。チュンの家はまだみんな起きてるでしょ』「それはまあ、そうですが……でも、悪いですよ」『水くさいっつーの。私たちはお互いに数少ない仲間なんだから迷惑なんかいくらかけてもいいんだって。持ちつ持たれつで何年もやってきたろ?【バディ】だと思ってたのは私だけだったのかな?』「そんな事ない……私にとってもミナミさんは貴重な存在。うん、私たちは【バディ】です」『だよね。じゃあ、今から行くから。着替えるから15〜20分くらい待ってて』「ありがとうございます」(ミナミさんは本当に面倒見がいいといいますか、優しすぎるといいますか。さすがは家政婦ですよね) などということを紅中は思ったが、客観的に見ると紅中もたいがいで、お互いどっちもどっちな優しすぎる2人である。──────ピロン"間もなく着く。こんな時間にチャイム押すのも非常識だし、鍵あけといて""了解しました" 鍵を開けて数分後。ミナミがやってきた。「わざわざご足労いただきありがとうございます」「いいのよ、それよりさっきの半荘をそれぞれの視点でリプレイして牌譜添削するんでしょ。手伝うわ」「助かります。さっそくなんですけど、私

  • 麻雀家政婦『紅中』〜接待麻雀専門家〜   その8 第伍話 持っている牌は安全牌

    71.第伍話 持っている牌は安全牌「というわけで。先ほどの食い伸ばしなどを見極めていると接待麻雀しやすいですよね。要するに接待麻雀なら切ってはいけない部分を切ればいいわけですから」『なるほど、これができるなら自分が当たり牌を持っていない場合でも鳴かせて待ち牌を変化させて放銃ということも可能なわけだ』『まるで神業ね。チュンってそんなに高い精度で読んでたんだ?』「ミナミさんの読みだってすごいじゃないですか。ていうか私に読みを最初に教えてくれたのはミナミさんでしたよ?」『そうだったっけ?』「はい。私がまだ雀荘の新人アルバイトだった時に推理の基礎を教えてくれたのはミナミさんです」『推理の基礎? なんだろ』「ミナミさんは『麻雀は持っている牌ではアガリにくいゲームである』ということを教えてくれました。言われてみれば当たり前なんですけど、ド新人の私にはこれほど分かりやすい基礎的な考えは無かったんです。本当にあの時教わっていてずいぶん助けられました」『あーーーー。言ったかもね! うん、言った言った!』 どういうことかと言うと、麻雀にはいくつかの待ちパターンがあり、それの法則として原則的に自分の持ってないものを求めている。と言えるのだ。 単純な話。麻雀における『待ち』は以下の5つが基本。そのうち3つは持っている牌ではアガリにならないし受け入れ枚数から考えてもリャンメン待ちになるよう心がけるべきなので持っている牌ではアガリにくいとわかる。1.リャンメン8枚待ち2.カンチャン4枚待ち3.ペンチャン4枚待ち4.シャンポン4枚待ち5.タンキ3枚待ち これは言われてみると当たり前なことなのだが、しかしそれを意識したりはしないのが普通だ。「この基本的な考えを教えてもらったから私は『読み』が出来るよう

  • 麻雀家政婦『紅中』〜接待麻雀専門家〜   その8 第四話 食い伸ばし

    70.第四話 食い伸ばし 紅中とミナミは夜9時から1時間ほどネット麻雀を1ゲームしてはそれを振り返り反省点などをネット会議のように話し合う形式の麻雀教室を週に一度行うようにしようと決定した。今日はその初回――「さて、紅中先生。初回のネット麻雀教室が始まったわけですがリプレイ動画を見返して何か指摘したい点はありましたでしょうか」とミナミがわざと言う。紅中先生などと言われるのはこそばゆいはずと思ったのだ。しかし……「はい。ではこの場面の説明からしたいと思います」(あれ、スルーか?) 完全にスルー。そう、紅中が先生と呼ばれるのは今に始まったことではなく井之上宏からはすでに大分前から『先生』呼びされていてもはや慣れっこになっていたのである。座順東家 あかべこ(紅中)南家 あさくら(ミナミ)西家 リュウセキ(流石)北家 人参不用(宏)「場面は東2局。私の下家のミナミさんが少し悩んで打九とした時の解説をしたいと思います。彼女は雰囲気的にはリーチしそうでした。長考中みたいなスタンプ使ってきたし。ドラは③筒。この時、私の手牌はこう」 そう言って紅中はあらかじめ用意していたホワイトボードに自分の手牌を書き出してモニターに映し出した。あかべこ手牌四伍六六八③④⑥⑥⑥⑦⑧34「オーバーしているターツを処理するべき手であり普通はカンチャンの六八萬に手をかけるべき で す が ! ここはソーズを処理することにしました。それはなぜでしょうか」『待って、それよりこの【あかべこ】ってのは?』「私の

Plus de chapitres
Découvrez et lisez de bons romans gratuitement
Accédez gratuitement à un grand nombre de bons romans sur GoodNovel. Téléchargez les livres que vous aimez et lisez où et quand vous voulez.
Lisez des livres gratuitement sur l'APP
Scanner le code pour lire sur l'application
DMCA.com Protection Status